はじめての「やきいも屋さん」

はてなブックマークを見ていたらどなたかの記事で

「やきいも屋やったら儲かるんじゃないか」のようなことが書いてあった。

 

この時期は、外から「いーしやーきーもー」の声が聴こえるたびに、

私は人生ではじめてやきいも屋さんの屋台でやきいもを買ったときのことを思い出す。

どなたかの記事では、『やきいも一本300円で、100本売ったら一日3万円?』とあった。

いやいや、やきいも屋、そんな良心的な商売してないぞ。

そのことをお伝えしたくて、はてなブログに手を出してみたわけで。

やきいもきっかけでブログはじめます。

 

はじめてのやきいも屋体験

 

それは大学2年生の秋。

当時つきあっていた柏レイソル大津祐樹くん似のバイトバカ彼氏と半同棲していた頃。

夕方からバイトにでかけるという彼とふたり、

ファイナルファンタジーX-2に没頭していた私の耳に聴こえてきたのが、

 

「いーしやーきーもーーー、やきたてっ」

 

小春日和の昼下がり、郷愁をさそうやきいも屋の声。

…今日はこのあと大津くん(仮)もバイトで晩ご飯がおそくなるし

…実家を離れてこのかた、やきいもってそういえば食べてない

…実家で食べてたのはトースターで「チン」したやきいもだったな

…石で焼いたらさぞかしほっくほくで美味いんだろうな

…ユウナ、リュック、ごめん!私、やきいも買ってくる!!

てな感じで衝動的にサイフをつかんで外に飛び出した私。

 

イモを買うカモ(私)を見つけ、やきいも屋トラックは停車。

カモ「こんにちは、いくらですか?」

イモ「100グラムで300円だよ」

カモ「(100グラムってなんぼだ?1本くらいか?)2本ください!」

イモ「はいはい、

   1400円ね!!」

 

え。やきいもってそんな重いの?

 

じゃあ1本にしようかしら、何なら半分に割っちゃくれないか。

などなど逡巡している間に、白くて薄い紙袋にやきいもを詰めるやきいも屋。

そこまできたら「やっぱりいりません」とは言えず、1400円を払う。

まさか、やきいも2本で1400円払うことになろうとは。

 

いやしかし待てよ。

これは「トースターでチン」のやきいもではない。

プロが作った「石焼きいも」なのだ。

もしかしたら、イモだって「なんちゃらスイート」とかいう高いやつかも…?

という複雑な思いとイモを抱え、大津くん(仮)のもとへ。

大喜びで出て行ったわりに浮かない顔をして戻ってきたカモに、

「おかえりー、買えたー?」と優しい笑顔を向ける大津くん(仮)

 

レッツシェアイモ。

大津くん(仮)に100グラム300円の経緯を伝え、

こんなに高いんだねー!なんて話しながらイモを渡そうとして気がついた。

 

イモぬるいし。

「ほっくほくだね!熱くて割れないよ!」なんてハッピーな会話を想定するも、

イモぬるいし。

 

ぬるいね、と言えばぬるいね、とこたえてくれる人のいるあたたかさ。

ちなみに味もふつう。

ちょっと高いイモ買ってトースターでチンしたほう美味いんじゃん?

そんな二十歳の秋の思い出。

 

結論。

イモ100本売ったら一日の売り上げ7万円です。